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「また節水トイレが詰まった…。」

レバーをひねっても、ゴボゴボと嫌な音がして水位が上がってくるだけ。トイレが使えない不便さと、「またか」といううんざりした気持ちから、今まさにスマートフォンを手に取っているのではないでしょうか。

節水トイレは水道代の節約になる一方で、頻繁に詰まるのが悩みの種ですよね。「水量が少ないから仕方ない」と諦めかけているかもしれません。しかし、その詰まりは、実は単なる水量不足だけが原因ではないかもしれません。

この記事では、今すぐできるつまりの解消法はもちろん、なぜあなたの家の節水トイレが頻繁に詰まるのかという5つの根本原因を、専門家の視点から徹底的に解説します。さらに、もう二度と詰まらせないための具体的な予防策まで、網羅的にご紹介します。

トイレつまり全般についてさらに詳しく知りたい方は、トイレつまりの総合ガイドもあわせてご覧ください。この記事を読み終える頃には、あなたはトイレつまりの不安から解放され、快適な毎日を取り戻すための知識を身につけているはずです。

そもそも「節水トイレは詰まりやすい」って本当?

多くの人が「節水トイレは詰まりやすい」というイメージをお持ちです。これは、ある意味では正しく、ある意味では誤解です。なぜ、そのように言われるのでしょうか。

TOTOの「トルネード洗浄」やLIXILの「パワーストリーム洗浄」に代表されるように、現代の節水トイレは、少ない水を渦巻き状に流すことで、効率的に便器内を洗い流す工夫がされています。しかし、これはあくまで「便器内」の話。問題は、その先の排水管へ汚物を送り出す「力」にあります。

従来のトイレが13Lもの大量の水で、いわば力任せに汚物を押し流していたのに対し、節水トイレ(約3.8L~4.8L)では、その力が弱いのです。そのため、使い方や設置環境によっては、トイレットペーパーなどが排水管の途中で止まってしまい、詰まりを引き起こしやすくなる、というのが「詰まりやすい」と言われる真相です。

TOTOやリクシル製でも詰まる?メーカーによる違いは?

「うちは最新のTOTO(あるいはリクシル)製なのに、なぜ詰まるんだろう?」と、製品自体に不信感を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。詰まりやすさは、特定のメーカーの欠陥というわけではありません。

むしろ、各メーカーは詰まりにくいトイレを開発するために、日々技術革新を続けています。例えば、TOTOの「セフィオンテクト」やLIXILの「アクアセラミック」といった技術は、便器の表面に汚れが付きにくく、少ない水でもツルンと汚れが落ちるように設計されています。

それでも詰まってしまうのは、トイレ本体の性能以上に、後述する「ご家庭の環境」や「使い方」が大きく影響しているケースがほとんどです。どのメーカーのトイレであっても、詰まる原因と正しい使い方を知ることが、トラブル回避の鍵となります。

あなたのトイレはどれ?節水トイレつまりの5つの根本原因

節水トイレのつまりは、単一の原因で起こることは稀です。多くの場合、これからご紹介する5つの原因が、複数絡み合って発生しています。ご自身の状況と照らし合わせながら、どの項目が当てはまるかチェックしてみてください。

原因1:水量の絶対的不足と「流す力」の低下

これは、節水トイレの構造的な宿命とも言える原因です。従来のトイレが約13Lの水を使っていたのに対し、最新の節水トイレでは大洗浄でも4.8L程度、中には3.8Lというモデルもあります。

この水量の差は、単純に流れる水の勢い、つまり排泄物やトイレットペーパーを排水管の奥まで押し流す**「推進力」の差**に直結します。

まるで、かつて勢いよく流れていた大河が、穏やかな小川になったようなものです。トイレットペーパーを一度にたくさん使ったり、水に溶けにくいものを流したりすると、この弱い推進力では押し流しきれず、排水管の途中で渋滞を起こしてしまうのです。これが、多くの詰まりの基本的なメカニズムです。

原因2:水圧不足(タンクレストイレやマンション高層階の盲点)

スタイリッシュなタンクレストイレや、マンションの高層階にお住まいの場合、この「水圧不足」が原因となっている可能性があります。

タンク付きトイレが、タンクに貯めた水の重みで流すのに対し、タンクレストイレは水道管から直接水を供給し、その水圧を利用して洗浄します。そのため、元の水道の水圧が低いと、十分な洗浄力を発揮できません。

例えば、

  • 高台に建っている家
  • マンションの高層階(上に行くほど水圧は下がる傾向にあります)
  • 築年数が古く、水道管が細かったり錆びたりしている建物
  • 家族がお風呂やキッチンで同時に水を使っている

といった状況では水圧が不足しがちです。どれだけ優れた洗浄機能を持つトイレでも、水圧が足りなければ宝の持ち腐れとなり、詰まりの原因になってしまいます。水圧不足による低水圧でのトイレつまりは、専門的な対処が必要になることもあります。

原因3:排水管の構造とのミスマッチ(勾配・曲がり・汚れ)

特に、古い住宅に最新の節水トイレを後付けで設置した場合に、この問題が顕在化しやすくなります。

従来の住宅の排水管は、13Lもの大量の水で流すことを前提として設計されています。そのため、排水管の傾斜(勾配)が比較的緩やかでも問題ありませんでした。しかし、その排水管に水量の少ない節水トイレを接続すると、水の勢いが足りずに途中で汚物が止まってしまうのです。

さらに、排水管には臭気を防ぐための曲がり角(トラップ)がいくつもあり、長年の使用で内壁には尿石や汚れがこびりついています。このザラザラした壁や曲がり角が、少ない水で運ばれてきたトイレットペーパーなどを引っ掛けてしまい、詰まりの起点となってしまうのです。これは、最新の高性能スポーツカーが、舗装されていないデコボコ道を走るようなものだと言えるでしょう。

原因4:無意識のNG行動!流すモノと流し方の問題

トイレ本体や配管に問題がなくても、日々の何気ない使い方が詰まりを引き起こしているケースも非常に多く見られます。

「トイレに流せる」と表示されているお掃除シートや猫砂、ウェットティッシュ。これらは確かに水に溶けますが、トイレットペーパーに比べて溶けるまでに時間がかかります。節水トイレの弱い水流では、完全に溶けきる前に排水管の途中で固まってしまうことがあるのです。

また、

  • 節約のために、どんな時でも「小」レバーで流す
  • 海外製の厚手で溶けにくいトイレットペーパーを使っている
  • 一度に大量のトイレットペーパーを拭いて、そのまま流す

といった行動も、自ら詰まりの原因を作っているようなものです。トイレットペーパーの詰まりティッシュペーパーの詰まりは、節水トイレで特に起こりやすいトラブルです。良かれと思ってやっている節水行動が、結果的に修理費用のかかる詰まりにつながってしまっては本末転倒です。

原因5:トイレ本体の不具合(電子制御の故障・部品の劣化)

意外と見落としがちなのが、トイレ本体の不具合です。これは、ご自身で気づくのが難しい場合もあります。

タンク付きトイレの場合、タンクの中にある部品(フロートバルブやボールタップなど)が劣化すると、タンク内に十分な水が溜まらなくなり、結果的に流す水量が減ってしまいます。タンクに水が溜まらない状態は、つまりの直接的な原因になります。

タンクレストイレの場合は、洗浄などをコントロールしている電子制御基板の故障が考えられます。この場合、ボタンを押しても適切な水量や水圧で水が流れず、詰まりやすくなります。また、停電時には洗浄機能が使えなくなる(多くの機種で手動洗浄は可能)といった、電子制御ならではの弱点も知っておく必要があります。

【緊急】まずは落ち着いて!自分でできる節水トイレのつまり解消ステップ

今まさにトイレが詰まっていてお困りの方へ。焦る気持ちはよく分かります。ですが、慌てて色々試すと、かえって状況を悪化させてしまうことも。まずは深呼吸して、これからご紹介する手順を一つずつ試してみてください。

作業を始める前に、必ず止水栓を閉め、床に新聞紙やビニールシートを敷いて養生しましょう。ゴム手袋の着用も忘れずに。適切な道具の選び方も事前に確認しておくと安心です。

ステップ1:【軽度のつまりに】ぬるま湯と食器用洗剤で溶かす

トイレットペーパーや排泄物など、水に溶けるものが原因の軽度のつまりであれば、この方法で解消できる可能性があります。

  1. 便器の水を汲み出す:水位が上がっている場合は、給油ポンプや紙コップで、普段の水位より少し低くなるまで水を汲み出します。
  2. ぬるま湯を注ぐ:やかんで沸かしたお湯を、人肌より少し熱い40~50℃に冷まします。これを、便器の排水口めがけてゆっくりと注ぎ入れます。
  3. 食器用洗剤を入れる:食器用洗剤を約100ml、便器の中に入れます。洗剤の界面活性剤が、固まりをほぐす手助けをします。重曹を使った方法も効果的です。
  4. 20~30分待つ:そのままの状態で20~30分ほど放置し、つまりがふやけるのを待ちます。
  5. 確認する:水位が下がっていれば、つまりが解消されたサインです。バケツに水を汲み、少し高い位置からゆっくり流し込み、スムーズに流れれば完了です。

【重要】絶対に熱湯は使わないでください!
熱湯を注ぐと、便器の陶器が温度変化に耐えきれず、ひび割れたり破損したりする危険性があります。修理ではなく便器本体の交換が必要になり、高額な費用がかかってしまいます。

ステップ2:【定番アイテム】ラバーカップ(スッポン)の正しい使い方

ぬるま湯で解決しない場合は、ラバーカップ(通称:スッポン)の出番です。ご家庭に一つ常備しておくと安心です。ラバーカップの詳しい使い方緊急時の対処法もご参照ください。

ポイントは、力を込めて「押す」のではなく、密着させて一気に「引く」ことです。排水管内の詰まりを、吸引力で引っ張り出すイメージです。

  1. 水位を調整する:便器内の水が少ない場合は、ラバーカップのゴム部分が浸るくらいまで水を足します。水が多すぎる場合は汲み出してください。
  2. 排水口に密着させる:ラバーカップを排水口に、隙間ができないようにしっかりと押し付けます。この時、斜めからゆっくり入れると水がはねにくいです。
  3. ゆっくり押し込み、一気に引き抜く:ハンドルをゆっくりと、体重をかけるように押し込みます。そして、今度は力強く一気に引き抜きます。この「引く」作業が最も重要です。
  4. 繰り返す:ゴボゴボという音がして水が流れ始めるまで、この作業を数回繰り返します。

水がはねるのが気になる場合は、便器全体を大きなビニール袋で覆い、真ん中に穴を開けてから作業すると、汚れの飛散を防げます。

【注意】これをやると悪化する!絶対避けるべきNG対処法

早く直したい一心で、間違った方法を試してしまうと、取り返しのつかない事態になりかねません。以下の方法は絶対に避けてください。

  • 熱湯を流す:前述の通り、便器が破損する危険性が非常に高いです。
  • 針金ハンガーなどで突っつく:便器の表面に傷がつき、汚れが付着しやすくなります。最悪の場合、排水管の奥で針金が引っかかり、抜けなくなることもあります。
  • 強力すぎる業務用薬品を使う:塩酸系の強力な薬品は、排水管(特に塩ビ管)を傷めたり、有毒ガスが発生したりする危険があります。使用する場合は、必ずトイレ用と明記された洗剤を選び、用法・用量を守ってください。パイプユニッシュの正しい使い方も参考になります。
  • 原因がわからないまま何度も流す:固形物などが詰まっている場合に何度も流すと、便器から汚水が溢れ出し、床が水浸しになる大惨事を引き起こします。

もう詰まらせない!今日からできる4つの予防策

無事につまりが解消したら、もう二度とあんな思いはしたくないですよね。原因を知った今だからこそできる、効果的な予防策をご紹介します。少しの心がけで、トイレの快適さは格段に向上します。詳しくはトイレつまりの予防策もご覧ください。

予防策1:「大」と「小」の適切な使い分けと「二度流し」

最も簡単で効果的なのが、洗浄レバーの正しい使い分けです。節水を意識するあまり、常に「小」で流していませんか?

  • トイレットペーパーを使ったら、必ず「大」で流す
  • 固形の便をした場合は、必ず「大」で流す

これを徹底するだけでも、詰まりのリスクは大幅に減少します。トイレットペーパーを多めに使ってしまったな、と感じた時は、ためらわずに**もう一度「大」で流す(二度流し)**のも有効な手段です。詰まって業者を呼ぶ費用を考えれば、少しの水道代は決して無駄にはなりません。流れが悪い時の対処法も併せて確認しておきましょう。

予防策2:【裏ワザ?】トイレの水量を安全に増やす調整方法

「どうしても今の水量では不安…」という方向けに、タンク付きトイレ限定で、ご自身で水量を少し増やす方法をご紹介します。ただし、あくまで自己責任で、慎重に行ってください。

  1. トイレの止水栓を閉めます。
  2. タンクの蓋を、真上に持ち上げて外します。
  3. タンクの中央にある円筒(オーバーフロー管)と、それに繋がっている浮き球(または浮き子)を見つけます。
  4. この浮き球が下がり、給水が始まる水位の位置を、少しだけ高くなるように調整します。機種によって調整方法は異なりますが、「水位調整リング」を回すタイプや、「浮き球のアームの根元にあるネジ」を回すタイプが一般的です。
  5. 調整後、止水栓を開けて水が溜まるのを確認します。水がオーバーフロー管の上端から溢れない範囲で、水位が上がっていれば成功です。

**※注意:**この調整をやりすぎると、タンクからの水漏れや水道料金の増加に繋がります。タンクレストイレではこの方法は使えません。

予防策3:定期的な洗浄剤で排水管の汚れを溜めない

目には見えませんが、排水管の中には尿石などの汚れが徐々に蓄積していきます。この汚れが、トイレットペーパーなどが引っかかる足がかりになってしまいます。

月に1回程度、市販されているトイレ用の洗浄剤(塩素系や酵素系のパイプクリーナーなど)を使用して、定期的に排水管のメンテナンスを行いましょう。寝る前に洗浄剤を投入し、朝に水を流すだけで、配管内をきれいに保ち、つまりの原因となる「種」をなくすことができます。

自力で解決できない…業者に依頼する判断基準と費用相場

様々な方法を試しても解決しない場合、無理は禁物です。専門の業者に依頼することは、決して恥ずかしいことではなく、問題を確実かつ迅速に解決するための賢明な判断です。しかし、費用や業者選びについては、不安がつきものですよね。低コストで詰まりを解消する方法も検討してみてください。

こんなサインが出たら迷わずプロに!業者を呼ぶべきケース

以下の項目に一つでも当てはまる場合は、ご自身での解決は困難な可能性が高いです。すぐに専門業者に相談しましょう。

  • スマートフォンやおもちゃ、オムツなどの固形物を落としてしまった異物を流した時の対処参照)
  • この記事で紹介した対処法をすべて試しても、全く改善しないつまり解消の総合ガイドもご確認ください)
  • 便器の水が全く引かず、むしろ溢れそうになっている水が流れない時の対処が必要です)
  • 水を流すと「ゴボゴボ」と異音がして、排水口から空気が逆流してくる異音がする場合の対処をご覧ください)
  • トイレだけでなく、お風呂や洗面所の水の流れも悪い(排水管全体の異常の可能性)

これらの症状は、排水管の奥深くや、屋外の排水マスなどに原因がある場合が多く、専用の機材や専門知識がなければ解決できません。専門業者による詰まり解消が最も確実な選択肢です。

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